大変お世話になった人へのお別れの日。

その方は職業的に
とても立場のある人だったので
普通に考えれば
私のような、いい加減な絵描きと
繋がるわけがないくらいの方。

それなのに気がつけば
10数年という長いつき合いになっていたのも
やっぱりご縁があったのだと思います。


どういうわけかChieArt作品を
とても好きでいてくれて
要所要所に連絡があっては
彼が考えたChieArtの
今後の展開アイデアというものを
聞かせてくれていたりもして。

芸術が大好きで
政財界などにも知り合いが多かったその方は
いつもこんなことを言っていた。

「ChieArtは美術史に残る世界的なものになると思っているんです。
だからそのためにも、これからは戦略を練らないと…
もっと価値をあげていかないと…」

そして私のためになると思って
何人も画商さんなどを
紹介してくれていた。

なのに。

「お気持ちは感謝します。
でも…方向が違うんです。
目的も違うんです…」

いつもそう言っては
せっかく一生懸命に繋ごうと
考えて下さったご縁を
ことごとくダメにしてきてしまっていた。


ごめんなさい。
お気持ちに添えなかったこと…
ごめんなさい。

どうしてこのチャンスを掴まないのかと
理解が出来なかったと思います。
ふがいなく感じていたと思います。


1年前から誰にも言わずに
秘かに抗がん剤治療を始めていたことを
今日、知りました。

彼のプライドの高さ、
孤高の精神が
周りの誰にも
病気のことを気づかせずにいたのだと思います。

亡くなる直前まで
病気を隠して仕事をしていた
彼の心の奥には何があったのだろう…
それを思うと
胸が詰まります。

いまもこうして綴りながら
涙が止まらない。

還るときは桜の季節に…という言葉の通り
散り際までも美しい人でした。

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いつも言うことを聞かずにいたけれど
亡くなる直前に出された宿題だけは
必ず、します。

約束したから
必ず、やりますね。


彼の希望だった美術界とは
あえてスタンスをおいている
異端児の私ですが
これからを
しっかり見ていて下さいね。


「Chieさんって巫女さんとかユタとかみたい。不思議な人だよなぁ」

それが口癖だった人。


私が本当にしたいこと
しようとしていることが
いつか(そういうことだったのか…)と
わかってもらえるよう
もっと純度をあげていきます。


私の絵が天にいても見てもらえますように。


たくさん申し訳ないことをしました。
本当にごめんなさい。

そして
存在そのものが
影響を与えて下さっていました。

出逢ったことにありがとうを込めて。